栄養士便り

23 味覚障害





新年度が始まって1ヶ月、忙しい日々を送っている方も多いと思いますが、食事はしっかり摂っていますか? 今回は『味覚障害』についてです。


『味覚障害』とは

味覚障害とは、味が分かりにくい、何を食べても同じ味に感じる、味が全く分からない、などといった症状のことを言います。
日本では毎年14万人新しく患者が発生し、そのうち3割の人の原因が『亜鉛不足』によるものといわれ、味覚障害の原因1位となっています。


なぜ亜鉛が不足すると味覚障害になるの?

味は舌の上にある味蕾(みらい)という細胞で感じとります。味蕾は新陳代謝が活発で、その際「亜鉛」が必要となります。亜鉛不足が生じると代謝がうまくいかず、必要分の味細胞が作れなくなり、味覚障害が発生するのです。
最近、若い世代で亜鉛不足による味覚障害者が増えているそうです。これは、加工食品の摂取量と深く関係しています。

加工食品やインスタント食品には様々な食品添加物が含まれています。その中には亜鉛の吸収を妨げるものや排泄を促す作用のあるものがあります。つまり、加工食品やインスタント食品ばかり摂っていると身体の中で亜鉛不足を起こし、味覚障害を起こすことに繋がるのです。

亜鉛はバランスの良い食生活を送っていれば欠乏することは少ないです。しかし、加工食品等を多く食べる人は注意が必要かと思います。



参考までに亜鉛を多く含む食品として以下のようなものがあります。



現代社会、加工食品をまったく摂らないことは無理ですよね。
しかし、頼りすぎるのも問題があるのではないでしょうか?
自然食品、加工食品を上手に活用して、豊かで楽しい食生活を送って下さい。