栄養士便り

52 かぼちゃ





9近頃、気温が徐々に下がってきており、秋の訪れを感じる季節になってきましたね。
秋になると食べ物も美味しくなる季節で、ついつい食べ過ぎてしまったりしていませんか?
また10月といえばハロウィンの時期ですね。



ハロウィンとは、キリスト教で毎年11月1日にあらゆる聖人を記念する祝日の前夜祭。秋の収穫を祝い、悪霊を追い出すお祭りです。子供たちは、『Trick or Treat!』と言って近所の家を訪ね、お菓子をもらい歩くというものです。これは日本で言う、お盆のような行事のことです。
ハロウィンでは、かぼちゃを装飾として使われています。
そこで、今回は『かぼちゃ』についてご紹介します。


かぼちゃの栄養効果

かぼちゃは緑黄色野菜の一つで、ニンジンやトマト、ほうれん草などと同じ仲間なのです。緑黄色野菜とは、βカロテンを豊富に含む野菜の総称で、それ以外の野菜は淡色野菜と呼ばれています。
つまり、かぼちゃの果肉が黄色をしているのは、βカロテンが豊富に含まれているからなのです。βカロテンは肌や粘膜を丈夫にし、身体に抵抗力をつけ、目の疲れを癒す効果があります。
また、かぼちゃにはトマトの3倍ものビタミンCを含み、風邪などに対する抵抗力を高める効果があります。そして、ビタミンEには肌荒れ防止や血行を良くする効果があるので冷え性やしもやけなどの緩和が期待でき、これからの時期には最適の食材と言えます。そのほかにも、かぼちゃには、食物繊維がたっぷり含まれているため、整腸作用を促してくれます。
昔から言われている『冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない』という言葉は、かぼちゃの特徴について語られているのです。かぼちゃの収穫時期は夏ですが、貯蔵がよくきくため緑黄色野菜の少ない冬まで貯蔵できる貴重な食材なのです。 かぼちゃは、素材そのものの甘味が強くホクホクとしているのが特徴的で、煮物や揚げ物、汁物など様々な用途に利用できます。


かぼちゃの種類と特徴

一般に市販されているかぼちゃは大きく分けて3種類あります。
現在よく食べられているかぼちゃは『西洋かぼちゃ』で、日本に一番初めに伝わったのは『日本かぼちゃ』と呼ばれています。

日本かぼちゃ

形が平たく縦に溝が入っており、でこぼこしています。味は淡泊で、粘りがあり、煮くずれしにくいのが特徴です。ですから、煮物や蒸しものに最適です。また、醤油との相性がよく、日本料理に向いています。

西洋かぼちゃ(別名:栗かぼちゃ

日本かぼちゃと違って表面に溝がなくなめらかになっています。糖質が多く甘いので栗かぼちゃとも呼ばれています。その甘さを生かしてプリンやパイなどデザートにもよく利用されます。

ペポかぼちゃ

金糸うりやズッキーニなどのことで、形は細長いものや小型のものが多く、一般的なかぼちゃとは味も食味も全く違っており、とても淡白な味をしています。


調理のワンポイントアドバイス

・ワタの部分にはβカロテンが果肉の5倍も多く含まれているので、できるだけワタを残して調理すると効果的です。
・カロテンは熱に強いので、油と一緒に調理することで吸収率がさらに高まります。

ハロウィンを楽しむと同時に、是非この機会に様々なかぼちゃを楽しんでみてはいかがでしょうか?