栄養士便り

78 蜜柑





寒さがだんだんと厳しくなり、冬の訪れを感じる季節となってまいりましたね。
冬のおともといえば・・・「蜜柑」ですよね。

そこで、今回は蜜柑についてご紹介します。



主な栄養成分はビタミンC

寒さが増すと同時に美味しさを増す蜜柑ですが、これは甘味と酸味の組み合わせによるものです。

酸味のもとともいわれる蜜柑の主な栄養成分はビタミンCです。

蜜柑大2個食べることで1日に必要なビタミンCの約80%摂ることが可能です。ビタミンCは細胞と細胞を結ぶ接着剤のような働きを強め、病原菌やウィルスの侵入を防ぐ免疫維持機能を持っています。

ですから、風邪をひく前の予防として、適度に食べることも良いでしょう。また、酸味の主成分であるクエン酸。クエン酸には疲労回復作用があり、疲労感のあるときにはクエン酸補給として柑橘類をはじめ、キウイフルーツやいちご、パイナップルなど果物を食べることをオススメします。

しかし、クエン酸は酸が強いため、胃を荒らしてしまう可能性もありますので、クエン酸のみで摂るよりも、ビタミンB群を含む豚肉や鶏肉、牛乳といった食品と組み合わせバランスよく食べることが大切です。

果物に特有にペクチンですが、水溶性食物繊維であり整腸作用をもっています。蜜柑の果肉の袋である“じょうのう”に特に多く含まれているため、袋ごと食べることで食物繊維を上手に摂ることが出来ます。


ちょっとした豆知識

蜜柑の成熟した実の皮を乾燥させたもの“橘皮”と呼び、橘皮の古いものを“陳皮”と言い咳止めや吐き気止め、健胃剤の処方に、漢方生薬として用いられています。

蜜柑の皮にはビタミンCが豊富に含まれているので、無農薬のものであれば料理に使うこともよいでしょう。


美味しい蜜柑の見分け方

果肉が小さく、果皮が薄いものほど糖度が高く甘い蜜柑です。また、皮が日焼けしているものは水分不足となり、味が落ちている可能性があります。

ダンボールなどでまとめて購入した場合には、通気性の良い場所で保管し、つぶれてしまいやすい下にあるものから食べるようにしましょう。