栄養士便り

40 柿





『桃栗3年柿8年』何事も成功するには時間がかかるとの意味を持つことわざです。
味覚の秋。今回のテーマは秋の果物の代表格『柿』です。
の4種類に分けられます。(『場合によっては』とは生育状況によるものをいいます)甘柿なのに渋いなんて不思議ですよね?

柿の渋味の原因はタンニンという成分によるものです。渋味の種類としてはお茶類の渋味と同じものになります。渋柿をそのまま食べたことのある方はご存知だと思いますが、そのままでは渋くて食べられたものではありません。

そこで必要になるのが『渋抜き』の作業。
方法は色々あり、

焼酎につける方法(ブランデーを使う方もいらっしゃるそうです)
暖かいお湯につける方法
りんごと一緒に入れておく方法
ドライアイスと一緒に入れておく方法
等があります。方法の違いで固さや風味が変わってくるので、同じ柿を使ったとしても出来上がりは違ってきます。


柿の不思議

渋抜きの方法にはもう一つ、「干す」方法があります。そう、干し柿です。干し柿作りには基本的に渋柿が使われます。甘柿でも出来ますが、甘柿を干しても渋柿ほど甘くならないのです。なぜでしょう?
それは、もともと渋柿の方が糖度が高いためです。渋柿の渋が甘味を分からなくしていたため、その渋を抜いてあげれば甘柿よりも甘くなるわけです。


柿の栄養素

柿の特徴的な成分としてはビタミンCが豊富なことがあげられます。柿100g中に約70mgのビタミンCが含まれており、1ヶ食べると約1日分のビタミンCを摂取することが可能です。
酸味の強い果物に多く含まれていそうなビタミンCですが、意外にも果物の中ではトップクラスの含有量なのです。

「柿が赤くなると医者が青くなる」とのことわざは、栄養価の高い柿を食べると病気にかかりにくくなり、医者の仕事が減って困るとの意味から生まれたようです。抵抗力を上げるビタミンCがその一役を担っていたと思われます。

ただし、硬い柿は消化があまりよくありません。特に胃腸を壊しぎみの方はゆっくりよく噛んで食べるようにしてください。