専門治療

脳血管内治療センター

脳血管内治療とは

頭部または頚部の血管病変(脳動脈瘤、血管の狭窄など)に対してカテーテルを用いて行う治療のことで、低侵襲な治療として最近急速に普及してきました。特に脳血管障害の外科的治療は従来、開頭術などで行われてきました。脳血管内治療が加わることで、患者さんの病変や全身状態に合わせて、両者の治療法を適切に使い分けることが可能になり、より安全で確実な治療を行うことができるようになりました。
当院では2020年4月より、脳血管内治療専門医のもとで脳血管内治療センターが開設されました。

当院の脳血管内治療センターの特徴

当院の脳血管内治療専門医は血管内治療だけを行うのではなく、開頭術や頚部血管の直達手術にも精通しており、血管内手術と直達手術のそれぞれの利点を比較検討した上で、患者さんにとって、より安全で確実な治療法を選択しています。また、患者さんに寄り添ったチーム医療を目指しています。

脳血管内治療の主な対象疾患と治療法

◇ 脳動脈瘤に対するコイル塞栓術

くも膜下出血の原因となる破裂脳動脈瘤や、未破裂脳動脈瘤に対して、カテーテルを用いて脳動脈瘤の中をコイルで充填し破裂を予防します。動脈瘤の部位、形状、年齢、全身状態などにより開頭手術( クリッピング) か、コイル塞栓術( 血管内手術) のどちらが安全で有効かを判断します。

◇ 頚部頚動脈狭窄症・頭蓋内血管狭窄に対するステント留置術

当院では頚部頚動脈狭窄症に対しては、頸動脈血栓内膜術(頚動脈の粥腫を摘出する)を第一選択としていますが、病変の部位や全身状態などにより手術が困難な例では、ステント留置術を行います。

◇ 急性脳梗塞に対する脳血栓回収術

心原性脳塞栓症など脳の血管が急に詰まった場合、重篤な後遺症を残し、生命に関わることも少なくありません。血栓溶解剤(t-PA) 静注療法に加えて、血栓回収術( 血管の中から血栓を除去する) を行うことで、症状の改善が見込めます。

担当医

 渡邉 定克(わたなべ さだよし)

渡邉 定克(わたなべ さだよし)

【資格】

日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医・指導医
日本脳卒中の外科学会技術認定医

所属診療科一覧