日本輸血・細胞治療学会の機能評価を受診しました。

「輸血」は重要な医療行為のひとつです。高度の貧血がある患者さんや、血液が固まりにくい状態の患者さんにとっては、なくてはならない治療法になります。一方、血液型を間違えて輸血を行うことは大変に危険なため、輸血の際には入念な患者さん確認、血液型確認を行います。また輸血によって起こるさまざまな副反応を、迅速に見つけて対処する必要があります。

また輸血は「献血」という善意の行為によって成り立っているため、1パックたりとも無駄にすることができません。冷蔵庫から出した血液は急速に劣化するため、本当に必要な患者さんにタイムリーに提供することで、無駄な廃棄を減らす必要があります。

当院の輸血部では学会認定検査技師を中心に、上記の活動に熱心に取り組んでいます。輸血委員会では定期的にラウンドを行い、ダミーの輸血製剤を使って現場スタッフの患者・血液型確認のテストも行なっています。また輸血の廃棄率は0.2%以下と、標準的な病院の1/10以下に抑えています。

当院のこれらの取り組みを客観的に評価してもらうために、日本輸血・細胞治療学会の機能評価(I&A)を受審しました。専門の評価員3名により、マニュアルの確認や現場でのチェックをしていただきました。正式な認証はしばらく先になりますが、評価員の先生方からは多くのお褒めのお言葉をいただきました。これからも安全な輸血治療に取り組んでまいります。

臨床研修修了式

ついこないだ新年を迎えたと思ったら、あっという間にもう3月です。病院のそばの桜並木も、もうすぐ美しく咲き始めることでしょう。毎年思うのですが、できれば新入職員をお迎えする4月1日まで花が残ってくれるといいのですが。

3月は卒業のシーズンでもあります。昨日は初期研修医8名の修了式を行いました。ひとりひとりに修了証を渡して、エアハイタッチで激励します。2年前には頼りなかった彼らも、2年間の研修で見違えるようにしっかりした顔つきになりました。これから医師としての長い人生を歩むわけですが、当院で学んだことを礎にして、患者さんにとっても周囲のスタッフにとっても「良き医師」になってほしいと思います。

続いて新チーフレジデントに委任状を渡します。チーフレジデントは研修医全員の取りまとめ役として、研修医の互選で選ばれます。今回も見識・人格とも優れた研修医が選ばれました。もうすぐ後輩を迎える新2年生たちの成長にも期待です。

今年から研修医たちの投票による「ベスト指導医」の表彰が始まりました。当院は常勤医の8割以上が厚労省の定める臨床研修指導医講習を終了しており、科学的なメソッドを用いた体系的な研修医教育を行っています。その中でも最も研修医の成長を促してくれた2名の指導医を表彰しました。

研修医に選ばれない病院は患者さんにも選ばれません。彼らの指導を通して教える側にも多くの学びがあり、その結果として病院全体の医療の質が向上します。これからも研修医教育に力を入れていきます。