初期臨床研修修了式を行いました。

コロナ禍の中でも春はちゃんとやってきてますね。病院の桜並木も少しづつ芽吹き始めてきました。新入職員の入職式まで満開が続くことを祈っています。

春は出会いと別れのシーズンでもあります。「別れ」はいつも辛いものですが、一方でさらに飛躍するチャンスでもあります。

昨日は、2年間の初期研修を修了した8名の研修医の修了式を行いました。まだ学生気分が抜けず初々しかった彼らも、この2年で見違えるように引き締まった表情になっています。

この2年間、各診療科の指導医たちはもちろん、看護部はじめとする病院職員みんなで、彼らを大切に育ててきました。そして彼らの指導をすることで、自分たちにとってもいい成長の糧としてきました。

4月からは長い医師人生が始まりますが、今の晴れやかな気持ちを忘れずに、各々の与えられた場所で、患者さんや周りのスタッフを笑顔にできる医師になることを祈ります。

新しく2年目に突入する研修医たちも順調に成長しています。毎年研修医たちの中から互選で「チーフレジデント」を選出していますが、昨日はその任命式も行いました。

そして4月からは、新しい研修医8名を迎えます。昨日は全員が国家試験に合格したという嬉しいニュースも飛び込んできました。また彼らと濃密な2年間を過ごせることを楽しみにしています。

肩こり防止体操

現在の医療は、リハビリの力なくしては成り立ちません。特に高齢の患者さんは、病気になるだけで全身の機能が低下してしまいます。治療や手術と並行してリハビリを行うことで、病気になる前よりも生き生きとした生活が送れるようになることもあります。

このブログでも何度か取り上げてきましたが、当院ではリハビリのスタッフが大活躍してくれています。急性期のみの病院としては多い70名以上のスタッフを擁しており、多くの患者さんの診療に参加しています。

私は入院病棟をブラブラ散歩するのが日課ですが、リハビリのスタッフが高齢の患者さんと楽しそうにお話をしているのを見るのが一番の楽しみです。どうやって話を盛り上げるのか、脳外科病棟担当のK主任に聞いてみました。

「まずは相手の方に興味を持つことです」「皆さん長い人生でさまざまな経験をされているので、それを伺うことは自分の勉強になります」ちょっと嬉しくなる答えが返ってきました。

リハビリの活躍の対象は、患者さんだけではありません。毎週の朝礼で、定期的に職員向けの体操を教えてくれています。本日は「肩こり防止体操」を、5年目の若手スタッフが教えてくれました。私も電子カルテに向かう時間が長く、肩こりに悩んでいますが、彼のおかげで肩が軽くなりました!

謹賀新年

謹んで初春のお慶びを申し上げます。
昨年は新型コロナ感染症の院内感染により、地域の皆さまには大きなご不安とご迷惑をおかけしました。皆さまからいただいた温かい支援を励みに職員が一丸になったことで、なんとか態勢を立て直すことができました。改めてお礼を申し上げます。

全職員がさらに強い危機意識をもって感染防御に取り組んでおります。来院される皆さんや入院患者さんにも、マスク着用、検温、手指衛生にご協力いただいております。面会を禁止にしていることは大変心苦しいのですが、ご理解をいただければ幸いです。

一方、昨年は当院にとって「進化」の一年でもありました。4月に救急科医師2名を増員したことで、さらに多くの救急患者さんをスムーズに受け入れることができるようになりました。また血管内治療センターを立ち上げたことで、脳梗塞やくも膜下出血の患者さんの治療の質が大きく向上しました。整形外科では高齢者に多い大腿骨頸部骨折の早期手術に取り組んでおり、良好な成績を上げています。このような取り組みを評価していただき、9月には大野知事から表彰を受けました。

今年もさらなる進化を目指しています。まず4月には手術室の増設を行い、また麻酔科医を増員します。そして数年来準備を続けてきた「ロボット支援手術(ダヴィンチ手術)」を、いよいよ4月から開始します。これにより前立腺癌などの手術が、より安全に行えるようになります。また新たにスポーツ整形外科を立ち上げ、地域の皆さんがスポーツを思いきり楽しめるようサポートをさせていただきます。

今年も地域に貢献できるよう、職員一同で頑張ってまいります。応援のほど、よろしくお願い申し上げます。

埼玉県知事から表彰を受けました!

ホームページのサーバーの不調により、久々の更新になります。

当院では救急医療に力を入れており、24時間体制で毎月600件の救急搬送を受け入れています。これはさいたま市でもトップクラスの受入件数になっています。

今年度はさらに、4月より救急科医師を3名に増員し受け入れ態勢を強化しています。救急搬送された患者さんには直ちに必要な検査が行われ、必要に応じて外科、整形外科、脳外科、内科などの専門医に引き継がれて、緊急手術や緊急内視鏡、緊急心臓カテーテル治療が行われます。

さらに今年度は、脳梗塞やくも膜下出血に対してカテーテルを用いた治療を行う「脳血管内治療」という高度の技術を持つ医師2名を招聘したことで、より多くの患者さんの命を救うことができるようになりました。

もちろん治療は医師と看護師だけでは行えません。放射線技師、臨床検査技師、薬剤師、臨床工学技士も24時間態勢でスタンバイしており、深夜であっても質の高いチーム医療を行っています。

現在のコロナ禍においては感染症のチェックも欠かせません。4月には発熱のない救急患者さんから院内感染を起こしてしまった反省を踏まえ、さまざまな対策をとっています。医師と看護師は完全防護で診察を行います。入院の必要な方には胸部CTと抗原検査を行い、万一陽性の場合には直ちに隔離対応を行います。

当院のこのような取り組みを評価していただいた結果、9月に埼玉県知事公邸において大野知事から表彰状をいただきました。これからも地域の皆さんに安心していただけるよう、救急医療を充実させていきたいと思います。

優秀職員表彰式を開催しました

当院では「医療の質」「患者満足」「人材育成」「健全経営」を、「4つの柱」と定めています。この4つはお互いに密接に関係していて、一つだけを切り離すことはできません。例えば、医療安全や感染対策などの「医療の質」が低くては、患者さんに満足していただくことはできず、その結果として経営状態も悪化してしまいます。

この4つの柱はどれも重要ですが、私はその中でも「人材育成」を最も重視しています。ひとりひとりの職員が目標を持って日々の成長を続けることで、その成長が集まって病院全体が成長できると考えています。

また心理学では、自分の成長を実感する時に人は大きな喜びを感じるとされています。私は全職員がそんな喜びを感じながら働けば、きっと患者さんにもその喜びが伝わると信じています。

そんな考えから、私は職員が様々な資格を取得することを推奨しています。資格は、成長のための”目標”でもあり、”モチベーション”でもあり、目に見える”結果”でもあります。私が推奨するまでもなく、各職種の若い職員が、それぞれの学会などが定める難しい資格にどんどんチャレンジしています。

昨年度に資格を取得した多くの職員の中から、特に難易度の高い資格を取得したメンバーに集まってもらって、表彰式を開催しました。そして私から、全員を代表して薬剤部のH主任に賞状と記念品を贈呈しました。彼は昨年難しい資格を2つも取得し、薬剤師業務や多職種チームの中でも頼もしい活躍をしてくれています。

きっと来年も多くのメンバーに表彰状を渡すことができるでしょう。今から楽しみです。

みんなを守る20秒

新型コロナウイルスの勢いが再び増してきているようです。
当院では、「2度と院内感染を起こさない!」を合言葉に、職員一丸になって感染予防に取り組んでいます。

感染予防では、手指の消毒(手指衛生)が最も重要と考えられています。患者さんに触れる前後はもちろん、医療機器や電子カルテに触れる前後にも手指衛生が必要です。当院では事務職を含む全職員がアルコール消毒剤を携帯しており、一日何十回何百回と手指衛生を行なっています。

きちんと手指衛生を行なっているかどうかを評価するのは難しく、多くの病院では消毒アルコールの消費量で判定しています。当院ではこれに加えて、係員が現場で実際に職員の動きを観察して、必要な場面で行っているかどうかをカウントすることで評価を行なってきました。

そこまで力を入れてきたにも関わらず院内感染を起こしたわけで、さらに高い意識で手指衛生に取り組む必要があると考えています。そこで全職員に呼びかけて、”みんなが思わず手指衛生をしたくなるような標語”を募集いたしました。

嬉しいことに、全部で60編以上の応募がありました。各職場で話題にして盛り上がったとも聞いています。どれも力作なのですが、私の独断と偏見で2作品を院長賞に選びました。

「ワンプッシュ 命を守る 20秒」
「ワンプッシュがみんなの生活守ってる」

私たちが感染予防をしている理由はなんでしょう。患者さんの命を守ることはもちろんですが、もう一度院内感染を起こせば病院の存続は難しくなるかもしれません。そうなれば職員や家族の生活も危うくなります。そして地域の皆さんの健康を守る使命も果たせなくなります。その思いから、上記2編を合体させて標語を決めました。

ワンプッシュ みんなを守る 20秒

「みんな」とは、患者さんであり、職員であり、職員の家族であり、地域のみなさんです。ひとりひとりの小さな行動が大きな結果につながります。この標語は病院中の電子カルテに表示しています。職員みんながこれを見るたびに、私たちのとるべき行動を強く自覚してくれていると思っています。

感謝の心

この度の新型コロナウイルスの院内感染では、地域のみなさんに多大なご迷惑とご心配をおかけし、大変に申しわけありませんでした。また亡くなられた方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

このブログでも紹介してきたように、当院ではこれまで医療安全と感染対策には特に力を入れて取り組んできました。今回も、新型コロナウイルスが話題になった1月には対策本部を立ち上げ、さまざまな取り組みを行ってきました。

そのような中で院内感染を起こしてしまったことに、院長として大きな衝撃を受けています。今にして思えば、どこかに「これだけやっているから大丈夫だろう」という慢心があったのかもしれません。

院内感染が判明してからは、外部の専門家の指導もいただきながら、さらに職員の手指衛生を徹底し、ゾーニングを厳格に守り、また防護服の着脱に細心の注意を払うことで、なんとか終息宣言を出すことができました。

この間、私たちを支えてくれたのは、地域のみなさんからのたくさんの応援でした。マスコミの報道があってから、連日たくさんのメッセージや手作りの防護服が届き、私たちを勇気づけてくれました。感動の涙を浮かべながら「明日も頑張る」と言ってくれた職員たちの姿は忘れられません。

私自身も、病院は地域のみなさんに支えられていることを改めて実感しました。常に感謝の心を忘れず、さらに安全で安心な医療を提供していくことで、地域のお役に立ちたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

笑顔を忘れず

新型コロナウイルス感染症は収束の気配を見せず、日本中が辛い日々を過ごしています。特に医療機関では、院内感染を防ぐために毎日多くの努力を続けています。当院でも、地域医療を決して崩壊させることのないよう、感染制御チームを中心にたくさんの取り組みをしています。

病院はテレワークをすることができないため、職員の健康管理には厳格に取り組んでいます。毎朝検温して体調不良者は自宅待機になるのはもちろん、公私を問わず会食や飲み会は禁止です。これまでも手指衛生には力を入れてきましたが、現在は電子カルテやドアノブに触るたびにアルコール消毒をしています。

院内での3密環境をさけるため、社員食堂は席数を半分にして対面はなし、ついたてで一席ごとに分離しています。職員の休憩も、人数を絞って順番に取り、対面での談笑は禁止です。休憩中も(食事の短時間以外は)マスクを外すことはありません。

このように不自由をかけて院長としては申し訳なく思うのですが、現場からは頼もしい声が聞こえてきます。「私が工夫してこの配置にしたんですよ!」「みんな安心できて、かえって喜んでますよ!」

職員たちの高い士気に触れるたび、頼もしい気持ちでいっぱいになります。まだまだ続く長い戦いです。もちろん真剣でありながらも、心のどこかに少し余裕を持ちながら、笑顔を忘れずに頑張っていきたいと思います。

新入職員をお迎えしました!

本日、70名の新入職員をお迎えしました。
この日のために、連日感染制御チーム(ICT)と人事担当者が、感染リスクを避けながら新人さんたちの心に残る会にしようと協議を重ねてきました。その結果、まず集合写真だけ撮影し、その後に2部に分けての辞令交付式、感染制御と医療安全に絞っての短時間のオリエンテーションを行います。

例年、2日間にわたってみっちりと講習を行い、最後には歓迎パーティで同期や先輩たちと親睦を深めていただくのですが、今年はもちろん中止。昨年好評だった、私が原木から切り出した生ハムを配る企画も今年はなしです。

集合写真は昨年同様に病院自慢の桜並木で撮影する予定でしたが、小雨のため断念。プランBを発動して、密閉、密集、密接を避けるため超スピードで並び、撮影の瞬間だけマスクを外しての撮影でした。

私の院長挨拶では、まず病院として感染対策と医療安全には以前から熱心に取り組んできたこと、新型コロナに対してもICTを中心に考えうる限りの対策を行っていることを説明し、そのことをご両親にも伝えて安心していただきたいと話しました。

制約だらけの入職式ですが、新人さんたちにとっても私たちにとっても、思い出深い会になると思います。そして来年の今頃、笑い話として振り返ることができることを祈りたいと思います。

門出の日

本日診療部医師や各部署の責任者が見守る中で、2年間の臨床研修を終えた初期研修医6名への修了証授与式が行われました。

医学部を卒業して不安な表情で初期研修を開始した彼らも、今ではすっかり成長して頼もしくなりました。2年間、楽しいことも辛いこともたくさんあったと思いますが、各科の先生の熱心な指導、看護をはじめ各職種の温かい応援を受けて、みんなすくすくと伸びていきました。同期や先輩、後輩からの励ましも大きな糧になったと思います。

6名はこれから、それぞれ長く厳しい医師人生を歩んでいきます。これからも今の気持ちを忘れずに、患者さんにとっても一緒に働く仲間にとっても”良き医者”になるよう、精進を続けて欲しいと思います。