みんなを守る20秒

新型コロナウイルスの勢いが再び増してきているようです。
当院では、「2度と院内感染を起こさない!」を合言葉に、職員一丸になって感染予防に取り組んでいます。

感染予防では、手指の消毒(手指衛生)が最も重要と考えられています。患者さんに触れる前後はもちろん、医療機器や電子カルテに触れる前後にも手指衛生が必要です。当院では事務職を含む全職員がアルコール消毒剤を携帯しており、一日何十回何百回と手指衛生を行なっています。

きちんと手指衛生を行なっているかどうかを評価するのは難しく、多くの病院では消毒アルコールの消費量で判定しています。当院ではこれに加えて、係員が現場で実際に職員の動きを観察して、必要な場面で行っているかどうかをカウントすることで評価を行なってきました。

そこまで力を入れてきたにも関わらず院内感染を起こしたわけで、さらに高い意識で手指衛生に取り組む必要があると考えています。そこで全職員に呼びかけて、”みんなが思わず手指衛生をしたくなるような標語”を募集いたしました。

嬉しいことに、全部で60編以上の応募がありました。各職場で話題にして盛り上がったとも聞いています。どれも力作なのですが、私の独断と偏見で2作品を院長賞に選びました。

「ワンプッシュ 命を守る 20秒」
「ワンプッシュがみんなの生活守ってる」

私たちが感染予防をしている理由はなんでしょう。患者さんの命を守ることはもちろんですが、もう一度院内感染を起こせば病院の存続は難しくなるかもしれません。そうなれば職員や家族の生活も危うくなります。そして地域の皆さんの健康を守る使命も果たせなくなります。その思いから、上記2編を合体させて標語を決めました。

ワンプッシュ みんなを守る 20秒

「みんな」とは、患者さんであり、職員であり、職員の家族であり、地域のみなさんです。ひとりひとりの小さな行動が大きな結果につながります。この標語は病院中の電子カルテに表示しています。職員みんながこれを見るたびに、私たちのとるべき行動を強く自覚してくれていると思っています。

感謝の心

この度の新型コロナウイルスの院内感染では、地域のみなさんに多大なご迷惑とご心配をおかけし、大変に申しわけありませんでした。また亡くなられた方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

このブログでも紹介してきたように、当院ではこれまで医療安全と感染対策には特に力を入れて取り組んできました。今回も、新型コロナウイルスが話題になった1月には対策本部を立ち上げ、さまざまな取り組みを行ってきました。

そのような中で院内感染を起こしてしまったことに、院長として大きな衝撃を受けています。今にして思えば、どこかに「これだけやっているから大丈夫だろう」という慢心があったのかもしれません。

院内感染が判明してからは、外部の専門家の指導もいただきながら、さらに職員の手指衛生を徹底し、ゾーニングを厳格に守り、また防護服の着脱に細心の注意を払うことで、なんとか終息宣言を出すことができました。

この間、私たちを支えてくれたのは、地域のみなさんからのたくさんの応援でした。マスコミの報道があってから、連日たくさんのメッセージや手作りの防護服が届き、私たちを勇気づけてくれました。感動の涙を浮かべながら「明日も頑張る」と言ってくれた職員たちの姿は忘れられません。

私自身も、病院は地域のみなさんに支えられていることを改めて実感しました。常に感謝の心を忘れず、さらに安全で安心な医療を提供していくことで、地域のお役に立ちたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

笑顔を忘れず

新型コロナウイルス感染症は収束の気配を見せず、日本中が辛い日々を過ごしています。特に医療機関では、院内感染を防ぐために毎日多くの努力を続けています。当院でも、地域医療を決して崩壊させることのないよう、感染制御チームを中心にたくさんの取り組みをしています。

病院はテレワークをすることができないため、職員の健康管理には厳格に取り組んでいます。毎朝検温して体調不良者は自宅待機になるのはもちろん、公私を問わず会食や飲み会は禁止です。これまでも手指衛生には力を入れてきましたが、現在は電子カルテやドアノブに触るたびにアルコール消毒をしています。

院内での3密環境をさけるため、社員食堂は席数を半分にして対面はなし、ついたてで一席ごとに分離しています。職員の休憩も、人数を絞って順番に取り、対面での談笑は禁止です。休憩中も(食事の短時間以外は)マスクを外すことはありません。

このように不自由をかけて院長としては申し訳なく思うのですが、現場からは頼もしい声が聞こえてきます。「私が工夫してこの配置にしたんですよ!」「みんな安心できて、かえって喜んでますよ!」

職員たちの高い士気に触れるたび、頼もしい気持ちでいっぱいになります。まだまだ続く長い戦いです。もちろん真剣でありながらも、心のどこかに少し余裕を持ちながら、笑顔を忘れずに頑張っていきたいと思います。

新入職員をお迎えしました!

本日、70名の新入職員をお迎えしました。
この日のために、連日感染制御チーム(ICT)と人事担当者が、感染リスクを避けながら新人さんたちの心に残る会にしようと協議を重ねてきました。その結果、まず集合写真だけ撮影し、その後に2部に分けての辞令交付式、感染制御と医療安全に絞っての短時間のオリエンテーションを行います。

例年、2日間にわたってみっちりと講習を行い、最後には歓迎パーティで同期や先輩たちと親睦を深めていただくのですが、今年はもちろん中止。昨年好評だった、私が原木から切り出した生ハムを配る企画も今年はなしです。

集合写真は昨年同様に病院自慢の桜並木で撮影する予定でしたが、小雨のため断念。プランBを発動して、密閉、密集、密接を避けるため超スピードで並び、撮影の瞬間だけマスクを外しての撮影でした。

私の院長挨拶では、まず病院として感染対策と医療安全には以前から熱心に取り組んできたこと、新型コロナに対してもICTを中心に考えうる限りの対策を行っていることを説明し、そのことをご両親にも伝えて安心していただきたいと話しました。

制約だらけの入職式ですが、新人さんたちにとっても私たちにとっても、思い出深い会になると思います。そして来年の今頃、笑い話として振り返ることができることを祈りたいと思います。

門出の日

本日診療部医師や各部署の責任者が見守る中で、2年間の臨床研修を終えた初期研修医6名への修了証授与式が行われました。

医学部を卒業して不安な表情で初期研修を開始した彼らも、今ではすっかり成長して頼もしくなりました。2年間、楽しいことも辛いこともたくさんあったと思いますが、各科の先生の熱心な指導、看護をはじめ各職種の温かい応援を受けて、みんなすくすくと伸びていきました。同期や先輩、後輩からの励ましも大きな糧になったと思います。

6名はこれから、それぞれ長く厳しい医師人生を歩んでいきます。これからも今の気持ちを忘れずに、患者さんにとっても一緒に働く仲間にとっても”良き医者”になるよう、精進を続けて欲しいと思います。

新型コロナウイルス

新型コロナ肺炎の流行で、私たちの生活にも大きな影響が出ていますね。連日の過剰とも思えるマスコミ報道もあり、皆さんも不安が大きいと思います。私は感染症の専門医ではありませんが、今何より必要なのは「正しく恐れる」ことだと考えます。

そもそも私たちの社会は、毎年季節性インフルエンザの流行を経験しています。インフルでは日本だけで毎年数百万人が感染し、数千人が亡くなっているとも言われています。新型コロナにはインフルのような簡易検査も、特効薬もないので不安になるのはわかりますが、基本的にはインフルと同じように予防が大切と思います。

なるべく人が長時間密集するような場所にはいかない。不特定の人が触るものに触れたらすぐ手を洗う。睡眠と栄養をしっかりとる。体調が悪ければ休む。人前でくしゃみや咳をするときは、ティッシュや上腕の内側を使って飛散させない。

日頃からこれらを心がけている方であれば、新型コロナに対しても心配はないと思います。連日各地での感染者の発生が報道されていますが、一方でどんどん治癒しているはずで、そちらの方も報道してほしいものです。また陽性者の個人情報を晒すことが本当に必要なのか、判断に迷うところです。

ただし重症化するリスクのある高齢者や、慢性の肺疾患や心臓病のある方は、厳重な注意が必要と思います。特に喫煙はリスクを増加すると言われていますので、この機会に禁煙を強くお勧めします。

当院でも連日、感染制御チームが対策を検討しています。院内感染を起こさないよう、職員の手指消毒と体調管理を徹底しています。もともと感染対策に力を入れてきたので、特に慌てることもなく確実に実行しています。

発熱患者さんの外来での待機場所を設定したり、入院患者さんへの面会の自粛をお願いしたり、患者さんやご家族にはご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどをよろしくお願い申し上げます。社会全体の取り組みで、早く騒ぎが収束することを祈ります。

コーチング研修を開催しました

私が「コーチング」に出会ったのは、2018年7月に札幌で開催された「医療マネジメント学会」で、ある病院の院長の講演を聞いた時です。コーチングを組織マネジメントに導入したことで、職員満足が上がり、離職率が減って、収支も大幅に改善したという内容でした。

それまで「コーチング」という言葉は知っていましたが、具体的な内容は知りませんでした。関心を持った私は資料を取り寄せ、説明会にも参加して、プログラムを受講することにしました。昨年2月にスタートしたレッスンは、今年の1月まで約1年、80回に及ぶものでした。そこではたくさんの出会いと、多くの気づきを得ることができました。

人の話をきちんと聞く。会話のキャッチボールをする。気づきを生む質問をする。相手へのフィードバックをきちんと伝える・・これまでできていなかったことに、意識して取り組むようになりました。これからはこの学びを病院運営に役立てていきたいと思います。

まず第一歩として、主任職以上を対象に研修会を開きました。承認されたと感じたのはどんな時?人の話を聞くためにどんな工夫をしている?みんなの体験を話してもらいました。少しでも役に立てたらいいのですが。

東川口病院の田辺院長の水彩画を展示しています

上尾中央医科グループには、埼玉、千葉、神奈川、茨城、山梨に計28の病院があります。特に近い病院どうしでは、さまざまなコラボが生まれています。例えば、有名な外科医が在籍するグループ病院に医師を研修に出したり、各職種の人事交流なども行われています。

院長どうしも仲が良く、頻繁に集まって情報交換したり、懇親会を開いたりしています。新人院長の私からすると、先輩の院長たちは皆さん診療にも人格にも優れ、堂々と病院を率いています。彼らから励まされたり叱咤されることも多く、私にとっては貴重な存在です。

その中でも東川口病院の田辺院長は、人情深く、困ってる人をほっておけない性格で、いつも頼りにさせていただいています。田辺院長は、バンドでギターやドラムも演奏しますが、絵筆をとっても玄人はだしです。

旅行の際などに書き溜められた水彩画がとても素敵なので、当院にも飾らさせていただくことになりました。患者さんも職員も癒してくれる、不思議な魅力のある絵です。

「報告が 伝わらなければ 独り言」

医療を行う上で、患者さんの安全を守ることは最も重要な課題です。以前は医療事故を個人の責任にしたり、「注意不足だった」と片付けることもありました。しかし最近は、チームや組織の力を上げることで医療事故を未然に防ぐ活動が主流になってきました。

チーム力を上げるためには、職員ひとりひとりの医療安全への意識を高める必要があります。そのために医療安全のメンバーがアイデアを出しあって生まれたのが、「安全川柳」イベントです。

昨年9月に院内で募集したところ、75の作品が集まりました。なかなかの力作ぞろいでしたが、全職員で投票した結果、次の3作品が優秀賞に選ばれました。

院長賞 「報告が 伝わらなければ 独り言」 
事務長賞 「大丈夫 慣れと過信が 事故起こす」
看護部長賞「あの一瞬 後悔しても 戻れない」

どれも短い言葉の中に、重要なメッセージが含まれています。応募してくれた3人には、昨年末の忘年会で表彰を行いました。また外来に掲示して、患者さんにも読んでいただいております。

この活動を通じて、職員の医療安全への意識が高まったように感じています。ぜひこれからも、毎年続けていきたいと思います。

2020年度病院基本方針

本日は朝8時から130名の職員が参加して年頭朝礼を行い、私からは「2020年度基本方針」を発表しました。

当院では、人材育成、医療の質向上、顧客満足、経営を、病院の4つの柱と位置づけています。まずは今年度の4分野の目標について、どれくらい達成できているか(できそうか)を自己評価します。そしてその評価に基づいて、4月から始まる2020年度の病院目標を発表しました。

本年度は多くの医師や職員が加わったてくれたおかげで、目標達成は順調に進んでいます。特に整形外科、消化器内科の医師が増えたことで、急な怪我や心配な胃腸の症状への対応がスムーズになり、地域の皆さんのお役に立てた実感があります。

一方で、忙しい毎日の中では、自分たちの都合を患者さんに押し付けてしまう場面もあります。自分や家族が患者さんになったつもりで、あらためて自分たちの業務の流れを見直す活動を続けていきます。

もう一つ力を入れているのが、次世代を担う人材の育成です。ランニングが趣味の私は、今年も箱根駅伝の応援で胸を熱くしましたが、病院でも常に次世代を担う若い人材を発掘し育てて、タスキを渡していかなくてはなりません。

個人の成長がチームの成長につながり、チームの成長が病院の成長につながり、その結果「患者さんも職員も、みんなが笑顔の病院」になれるよう、今年も取り組んでまいります。